マネージャー1 – 僕は特に「全部が可能性の問題だ」って授業で言いますね。
逆に、ふるいにかけられている状況を理解できたのであれば、何をして落とされるのか、何をして頭一個抜けるのかって考えると……。

演技的に抜けているんだったら、それはそれでいいじゃないですか。
でも、養成所の1年生とかって、上手さはどんぐりの背比べなんです。
それでも5クラスから1クラスに減らさないといけないから、減点が響きますよね。
事務所の関係者に会うかもしれないっていう状況下で意識しないといけないというか、気を引き締めないと、落とされる可能性は大きいです。

服装のことも言ったりしていて、例えば体動かすだけの授業の日にジャージでそのままスタジオに来たら、その時点でアウトなんですよ。
社会人なのに、ジャージ着て出社とかないじゃないですか。

あとはメールもそうですよね。すると100人対1人でメールをすることになるので。
「こういう人を探しています」って質問に対して質問を返してくる生徒は、もうNGですね。

こっちは100人単位でメール送っていて、正直答えしか必要無いんですよ。
該当することに対して、合っているかどうか、イエスかノーなので、「これはどういう〇〇ですか」という質問は回答じゃないんですよ。
メールを読みとって、この人が自分と1対1でやり取りしているのなら全然質問してもいいですけど、「自分以外に100人単位でメールを送っているんだろうな、ということは他の人がもし質問していたら、マネージャーはまたその人に返さなきゃいけないんだな」っていうことを考えられるかどうかですね。

マネージャー2 – フォーマットを先に作って「これで返信してください」って送っても、そのフォーマットを変えてくる子がいるんですよね……。

一同 – (笑)。

マネージャー2 – 自分の本文だけ、名前も入れずに送ってくる子もいるんですよ。
自分のアドレスは登録されているだろうって思っているのかもしれないですが、誰が何に対して言っているのかを調べる手間がかかりますよね。

マネージャー1 – そういったところに気を遣えるかですかね、相手がどういう状況下にいるかっていう。
一人ひとりを相手にしていられなくて、どうやってやり取りを最小限で抑える能力があるかも見たりします。適切な質問だったら勿論良いんですよ、こちらが抜けていることもあるので。

ただ、「それって今必要か？」っていう質問をして来る人には、イラっとしながら返しています(笑)。

田中 – 現場でも、ディレクションされて、まったく的外れなことをやってしまったりとか……空気が読めるかどうかってすごく学んだ気がします。

マネージャー1 – 「受信機」がちゃんとしている子は結構残ったりします。

– それは発信よりも大事ですか？

マネージャー1 – そうですね。結局、受け取る能力が無かったら出すこともできないので、収録時のディレクションやマネージャーとの会話の受け取り方が重要ですね。

説明する時もあるんですよ、まだ若い時は。
わからないことに対してわからない、は良いんですよ。教えることができるので。

でも、それ以外のところで、察したら解決できることに対しては注意します。

– こちらのおふたりに注意されたことありますか？

井上 – 注意をしていただいたことは何回かあります。

田中 – 所属してからマネージャー2さんとお話するようになって、お話したりして人を良く知ると「こんなにも優しい人なんだ！」って思えたりとか。

マネージャー2 – 僕は少人数との深い付き合いが好きなんですよ。
だから、それ以外の子たちは興味の対象外になっちゃうんですよ。

マネージャー1 – 100人と接していれば深堀りはできないですし、肩入れもあんまりできないかもしれないですね。
養成所は毎年毎年新しい子が出てきてますし。