サロン・デル・マンガ スペシャル!
フランス語圏におけるコミック「バンド・デシネ」を取り上げている当連載、第39回目からは2017年に急逝した谷口ジローのバルセロナ展について深掘りしていく。
谷口の作品は、フランスの影響を自他ともに認め、隣国スペインでもバルセロナ国際コミックフェアで「2004年最優秀海外作品」を受賞するなど、高い認知度を誇る。実際に、バルセロナは彼の作品にも登場するなど縁は深い。
本展示は、冒頭で「マンガの詩人(El poeta del manga)」と題打ち、谷口の作風についてバンド・デジネの特徴とも重なる「クリアーな輪郭線を用いてリアリズムを表現した」と指摘。日常からSFまで様々なジャンルを幅広く描き、「漫画界の垣根を越えてあらゆる読者に支持された」と評価している。
93年の谷口ジローのバルセロナ訪問にも触れ、「漫画界以上にComic界での人気が高く、欧州に多くのファンを持つ、二人といない漫画家」として功績を称え、彼の死を悼み、その受け止められ方は日本以上のものがあることをうかがわせた。
次回以降、”日本の漫画と欧州コミックとのかけ橋”となった、谷口氏の遺した展示作品について詳しく見ていきたい。
<連載第38回はこちら>
【漫画 × バンド・デシネ!】その㊳ ジョン・グラトンの『ミシェル・ヴァイヨン』
© Jirō Taniguchi
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