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【スペインで見つけた日本のマンガ】その㉑ 浦沢直樹の『BILLY BAT』

15回にわたり集中連載した「第35回バルセロナ国際コミックフェア」。訪れた会場のあるスペインで、人々は驚くほど多くの日本のマンガに親しんでいた。スペインの本屋で実際に見つけた日本のマンガを紹介していくこの連載第21回目は、浦沢直樹の『BILLY BAT(ビリーバット)』について取り上げる。

『BILLY BAT』は、悠久の歴史の時系列が前後する中でミステリーが展開するという斬新なスタイルをとる。キリストやフランシスコ・ザビエル、ヒトラーやアインシュタイン、これでもかというくらいのキャストで、世界史の暗部にも入り込んでおり、舞台としてスペインも登場する。

「BAT」は日本語で「コウモリ」。これほどに強烈で捉えどころのないキャラの動物も、そういるものではない。牙と張り出した大きな三角形の耳は見るからに恐ろしく吸血鬼の象徴であり、日が沈むころになると不気味に姿を現し、マントのような黒い翼で蝶のようにヒラヒラと闇に揺れる。

古くは『黄金バット』『バットマン』など、東西を問わずマンガや映画のテーマにされている。ヒーローの役どころに配置されることもあるが、やはりコウモリだけは普通のヒーローになるわけがない。本作の登場人物・ビリーバットもただ者ではなく、私立探偵という何やらあやしい装いだ。

世界中のロケーションや時代に舞台を移し、数々の世界的偉人、そして動物キャラを採用したことで、海外でヒットすべくしてヒットした作品と言えよう。

 

<連載第20回はこちら>

【スペインで見つけた日本のマンガ】その⑳ 筒井哲也の『予告犯』

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