15回にわたり集中連載した「第35回バルセロナ国際コミックフェア」。訪れた会場のあるスペインで、人々は驚くほど多くの日本のマンガに親しんでいた。スペインの本屋で実際に見つけた日本のマンガを紹介していくこの連載第22回目は、平本 アキラの『監獄学園(PRISON SCHOOL)』について取り上げる。
『監獄学園』は、2011年からヤングマガジンに連載されている、学園コメディ作品。裏生徒会に代表されるように、表と裏の社会があり、とても日本的だ。
一昔前まで高校というのは、教育現場というよりは、矯正施設のようなところもよくあった。しかし、私たちが想像する監獄のような学園と、この作品の舞台となる私立八光学園は、ひと味もふた味も違う。
高校という初々しいはずの場所に、エロスや秩序、お仕置きなどのコンセプトが入り乱れ、おまけにシチュエーション・コメディの手法が多用されており、読者の笑いを誘う。これによって、相当に強烈で濃密なテイストが生まれている。
異国にある異様な世界。こんな学校があったら、入ってみたいようなみたくないような。スペインの人たちは、そんな思いで読んでいるのかもしれない。
<連載第21回はこちら>
【スペインで見つけた日本のマンガ】その㉑ 浦沢直樹の『BILLY BAT』
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