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【スペインで見つけた日本のマンガ】その⑯ 手塚治虫の『奇子』

15回にわたり集中連載した「第35回バルセロナ国際コミックフェア」。訪れた会場のあるスペインで、人々は驚くほど多くの日本のマンガに親しんでいた。スペインの本屋で実際に見つけた日本のマンガを紹介していくこの連載第16回目は、手塚治虫の『奇子(Ayako)』について取り上げる。

『奇子』は、1972年から1973年にかけて制作された作品。戦争から復員後、GHQのスパイとして活動していた天外仁朗は、妹の恋人で共産主義者の男を暗殺し、証拠隠滅をしている現場を近親相姦で生まれた奇子に目撃される。名家の面目のために奇子は幽閉され、それに連鎖するようにいびつな人間関係が展開してゆく。

戦中戦後の激動の時代に多感な時期を過ごした作者の実体験と、夢体験が色濃く表現されている。少年漫画で名声を得た手塚の冬の時代と言われる低迷期に、本人の創造力の原点に回帰して描かれたこの大人向け漫画の意味は大きい。

漫画家としてもう終わりかと思われていた手塚は、この時期を境に手掛けた作品が次々とヒットし、人気がV字で回復してゆく。乱れた性と複雑な人間関係を扱う作品がもてはやされるスペインで目にしたことは、うなずける。

日本での本作品の評価は「子供には見せられないタブー的な内容もあり、数々の名作の下に埋もれてしまっている」といった感があるが、現代の読者が改めて読むことで再評価して欲しい。

 

<連載第15回はこちら>

【スペインで見つけた日本のマンガ】その⑮ 浦沢直樹の『MASTERキートン』

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