15回にわたり集中連載した「第35回バルセロナ国際コミックフェア」。訪れた会場のあるスペインで、人々は驚くほど多くの日本のマンガに親しんでいた。スペインの本屋で実際に見つけた日本のマンガを紹介していくこの連載第23回目は、芹沢直樹の『バイオハザード (Resident Evil)』について取り上げる。
『バイオハザード』は、元々は1996年に発表されたPlayStationのゲームだった。当初ヒットを狙っていなかったにもかかわらず、大当たりしたことで、マンガ・CGアニメ映画・実写映画まで展開する運びとなった。
一見かなりマニアックな内容ながら、ホラーとアクションという分野が融合した結果、作品の迫力を倍増させてファンをひきつけている。
人間は、ホラーだけでもゾクゾクし、アクションだけでもハラハラする。それが同時に発生するのだから、心臓はたまったものではない。
スペインのあるEU圏は、第2次世界大戦で極限に達して以来、長い平和の時代を迎えている。大多数の人は、戦争や緊急事態というものとは無縁だ。この作品がEU圏でもヒットした理由は、日常に退屈する多くの人が「恐ろしい疑似体験をしてみたかった」という意識があったからなのだろうか。
<連載第22回はこちら>
【スペインで見つけた日本のマンガ】その㉒ 平本 アキラの『監獄学園』
COMMENT コメント