15回にわたり集中連載した「第35回バルセロナ国際コミックフェア」。訪れた会場のあるスペインで、人々は驚くほど多くの日本のマンガに親しんでいた。スペインの本屋で実際に見つけた日本のマンガを紹介していくこの連載第28回目は、鈴木央の『七つの大罪 (The Seven Deadly Sins)』について取り上げる。
『七つの大罪』は2011年に制作が始まり、TVアニメ化もされた人気作。タイトルがキリスト教に深く関連しており、スペイン人が店頭で見つけたらどうしても気になってしまう冒険活劇だ。
古の騎士団という設定もタイトルに勝るとも劣らない奥深く、壮大なものだ。ビジュアルや登場キャラクターの名前からも舞台はヨーロッパと考えられる。これらのネタを日本のマンガが料理するとこうなる、という好例だ。
初めからゲームのシナリオとして書かれたのではないかと思うくらい、ゲームにも相性が良いストーリーで、古いものをひっぱり出してきて、新たな発想や斬新な画法でトレンディな物語を作り出す鈴木央のマジックには、ただ感心するばかりだ。
<連載第27回はこちら>
【スペインで見つけた日本のマンガ】その㉗ 新海誠の『秒速5センチメートル』
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