15回にわたり集中連載した「第35回バルセロナ国際コミックフェア」。訪れた会場のあるスペインで、人々は驚くほど多くの日本のマンガに親しんでいた。スペインの本屋で実際に見つけた日本のマンガを紹介していくこの連載第17回目は、雁屋哲(作)・花咲アキラ(画)の『美味しんぼ(Oishinbo)』について取り上げる。
『美味しんぼ』は、1983年から連載が始まった作品で、タイトルはフランス語の「グルマン(gourmand)」的な響きの造語だ。フランス・イタリア・スペインなど、芸術の国は総じて美食家が多く、作品中で描かれる食への探求心やこだわりの高さが、現地での人気にもつながっている。
新聞社の新米記者・栗田ゆう子と、グータラながら味と料理の天才、山岡士郎というアクの強いコンビが、これまでの美味の既成概念を打ち破る「究極のメニュー」作りに取り組んでいく。TVアニメとしても親しまれ、グルメブームの火付け役となった。
スペインでは近年、寿司に代表されるように、美味しいのはもちろん健康的でもあるということもあり、日本食ブームが起こっている。マンガ同様に、日本から発信された文化は何かと憧れの対象となっている。
<連載第16回はこちら>
【スペインで見つけた日本のマンガ】その⑯ 手塚治虫の『奇子』
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