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【スペインで見つけた日本のマンガ】その㉗ 新海誠の『秒速5センチメートル』

15回にわたり集中連載した「第35回バルセロナ国際コミックフェア」。訪れた会場のあるスペインで、人々は驚くほど多くの日本のマンガに親しんでいた。スペインの本屋で実際に見つけた日本のマンガを紹介していくこの連載第27回目は、新海誠の『秒速5センチメートル (5 Centímetros Por Segundo)』について取り上げる。

『秒速5センチメートル 』は、2007年に公開された劇場アニメ作品。「桜花抄」、「コスモナウト」、「秒速5センチメートル」という3話の短編からなる。現実でも見たことがあるような、リアルな駅の風景などがよく映されている。

転校で離ればなれになった遠野貴樹と篠原明里は中学生になり、文通で心を通わせてゆく。決心を決めて再会の約束をした当日は大雪。電車は止まったまま刻々と時間だけが過ぎてゆく。

タイトルの「秒速5センチメートル」とは、桜の花びらが地面に落ちてゆくスピードなのだそうだ。出会いと別れの季節に咲き乱れ、そしてはかなく散ってゆく桜というのは、日本人にとって特別なものだ。

蝉の鳴き声。ザーザーと地面を打つ雨。夜空にしんしんと降る雪。ヒラヒラと舞う桜。特にナレーションやセリフもなく作品中に表現される「間」に、言葉では表すことのできない、とても深い意味が込められているように思える。

 

<連載第26回はこちら>

【スペインで見つけた日本のマンガ】その㉖ 藤原ヒロの『会長はメイド様!』

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