サロン・デル・マンガ スペシャル！
昨年11月初旬にスペイン・バルセロナで開催された日本の漫画やアニメの祭典「バルセロナ・サロン・デル・マンガ(23 Saló del Manga de Barcelona)」では、ロボットが登場する歴代の日本作品の特別展示も行われた。今回紹介するのは、吉浦康裕の『イヴの時間 (Time of Eve)』だ。
自宅のアンドロイドの行動履歴から、地下にあるロボット法違反の喫茶店を見つけるリクオ。そこは、「人間とロボットの区別をしません」というのが売りで、普段は機械的に人間に奉仕するロボットたちが“人間らしさ”を取り戻していた。
ドリ系（アンドロイド精神依存症）が社会問題となっている未来で、「倫理委員会」が取り締まりを強化する中、ロボットの頭上の輪が消えて人間と区別がつかないこの喫茶店は、極めて危険な領域となっている。
「モノに愛着を持ち大事に扱うこと」は、良いこととされる。しかし、一見その延長上にある「ロボットを人扱いすること」は、似ているようで全く異なる危険な行為だった。
将来、ロボットと結婚する人も出てくるだろうと言われており、近未来に訪れるであろう社会問題とロボット倫理を先取りした、興味深い作品となっている。
「バルセロナ・サロン・デル・マンガ」の現地リポート、次回も乞うご期待！
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