声優ヴォーカルユニットKleissis(クレイ・シス)のワンマンライブ『1st LIVE〜volare(ヴォラーレ)〜』が7月20日(土)、東京・原宿クエストホールにて開催された。本レポートでは、その第1部の模様をお届けする。

Kleissisは、スマートフォン向けRPG『アルカ・ラスト 終わる世界と歌姫の果実』から誕生した声優ヴォーカルユニット。メンバーは田中有紀＜カスミ役／茜色(赤)＞、富田美憂＜アキラ役／竜胆色(紫)＞、山田麻莉奈＜サユキ役／瑠璃色(青)＞、髙橋麻里＜ユン役／亜麻色(黄緑)＞、山根綺＜ヒロナ役／水色(水色)＞、元吉有希子＜ミオ役／橙色(橙)＞、金子有希＜ミウ役／緑色(緑)＞の7名で構成されている。この日まで様々なイベントに出演してきたが、今回が初めてのワンマンライブのため、観客もこの日を待ち望んでいた様子がうかがえた。

ライブはまず朗読劇からスタート。普段の見慣れた純白のドレス姿ではなく、真っ黒のローブを着用して7名が登場すると、『アルカ・ラスト』のゲーム世界に誘った。この朗読劇パートでは、ラプラスの間に集ったKleissisが「破壊者を召喚して世界を終わらせる」という使命を担っていることや、「権力で抑圧された世界」「闇に閉ざされた世界」「全てが凍てつく世界」「熱砂の吹き荒れる世界」など7つの世界が存在していることが、彼女たちによって明かされた。

シリアスな朗読劇が終わると、ステージ上のスクリーンにはキャラクターの紹介ムービーが流れ、ライブのはじまりに向けてテンションを高めていく。そして、黒いマントを脱ぎ去り今回のライブで初お披露目となった衣装で登場した7人は、「行くよ！ 」の掛け声をきっかけにデビュー曲「Kleissis Chaos」を熱唱する。ファンにもすっかりお馴染みとなった歌で先程までの雰囲気を一変させると、その勢いのまま壮大なイントロから始まる「決断のDivergence」へとつなげ、各ソロパートでは7人それぞれの歌唱力を見せつけた。

2曲の歌唱を終えると、田中が「ついにKleissis初のワンマンライブの日になりました！ 感謝の気持ちを込めて、全力で歌います！」と嬉しそうに語ると、それに続けてほかの6人も「本日は盛り上がっていきましょう!!」とあおると観客も大きな拍手で応える。そして新しい衣装について話が及び、候補としては”黒と赤のコントラスト”も挙がっていたらしいが、やはりKleissisといえば白ということで今回のものに決まったとのこと。

続いての楽曲「Ark of promise」はゲームのOPテーマとなっており、ミディアムテンポのリズムに乗って、空を見上げ両手を握りしめ、そして羽ばたくような振付けで魅了した。続いてはさらにテンポを落としたスローな楽曲「贖いのアリア」で、逆光演出もまじえた作品世界の一端も見せていく演出を見せ、つづく「逆さまの世界」も点滅する赤と青の照明の下で激しいダンスを舞い踊り、ゆったりと”聴かせる”だけでなく視覚表現としても楽しめる場面となった。

そして田中が”皆様のおかげで歌える曲”と述べた「囚われのChiral」について、山根は「私演じるヒロナの＜降灰編＞のイメージソングで、振り付けや歌が一段とパワーアップしています」と話すと、田中も「強くてエモい曲なので、元気に盛り上がってください」と新曲を初披露した。ストリングスが高く響く下で力強いキック音がベースをつくる、これまでのKleissisとは一線を画したかのような重厚なバンドサウンドで攻め立て、山根が「原宿クエストホール盛り上がっていくよ！」と叫ぶと、『アルカ・ラスト』のバトルBGMに採用されている「Into the Abyss」でさらに重厚でリズムが速い楽曲で畳み掛け、観客も手を振り上げ叫んで呼応した。

「次の曲は声を張るからね」と”給水タイム”を設けたあとには、2ndマキシシングルの表題曲である「Another Sky Resonance」に突入し「もっともっと！」とあおりながら、疾走感に乗せて7人の歌声をまっすぐに客席に届けた。そして本編は残り1曲であると告げられると残念がる声があちらこちらから上がったが、田中の「一緒に心の中で口ずさんでくれたら嬉しいです」のメッセージとともに、ゲームエンディング曲の「さよならの彼方へ」が流れ、ゆっくりとフォーメーションを変えながら終幕にふさわしい穏やかな歌を歌い上げ、ラスサビではお互いの表情や確かめるように輪になり向かい合って、その声を最後まで響かせていた。

アンコールでは、アニサマけやき広場やタワレコ、池袋噴水前ステージなどのこれまで行なってきたイベントをまとめた映像が流され、ファンが1年間の活動の軌跡を改めて噛みしめるひとときもあり、ライブTシャツを着て再登場した7人をひときわ大きい拍手で迎え入れた。この日に、告知されたことは以下の3つで、

・1stアルバム『eschatology／a grand conception “ARCALAST”』9月25日発売決定
・新曲「囚われのChiral」配信開始
・新曲「Into the Abyss」のMV制作

そのどれもに「おめでとう」の声が飛びかかっていた。そして、ライブ開催記念の集合写真を撮影した後には、メンバーから挨拶があり、

金子「今日は本当にありがとうございました。1周年ということですごくドキドキしていたのですけど、新たな試みにも挑戦して私たちもたくさん成長できていたらいいなと思います。これからも一緒にKleissisと歩んでいただければ嬉しいです」

元吉「1年、本当に色々ありましたが、去年は絶対に歌えなかった歌が歌えて、去年絶対できなかった踊りが踊れて、去年絶対見られなかった景色が見られて、これはKleissisを通して出会えた皆さんのおかげだと思います」

山根「私の好きな漫画に『人の持つ本質は──光だ』という台詞が出てきます。生きているとしんどいこととかやり場のない想いを抱えることがあるじゃないですか。そういう時に人は音楽やエンターテイメントに熱狂するんじゃないかなと思っています。アーティストが自分の代わりに叫んでくれる、光に変えてくれる、そういう力が音楽にはあると思うので、もし辛いことがあってもまた私たちに会いにきて、一緒に腕を振って楽しんでもらえたらなと思います。また来てください！」

髙橋「7人で1周年を迎えられたこと、ライブを開催できたことは当たり前のことじゃないので、だからこそこうやって7人で同じ目標に向かって歌えることが本当に嬉しいです。これから2年3年10年100年(笑)と、みなさんと一緒にKleissisの世界を作っていけたらいいなと思います！」

山田「改めて無事に今日を迎えることが出来て嬉しいです。今日を最高の一日にしたくて、楽しみと緊張もあってドキドキして眠れなかったんですけど、すごく楽しかったです！」

富田「単独ライブのリハーサル期間中に海外に行っていて、ホテルで一人練習していたのですが、ほんの数日だったのにすごく寂しくて。早く皆とレッスンしたいなと思って、こんなにメンバーが好きなんだなってことを改めて感じました。メンバーというか家族みたいな7人で、これから100年先も胸を張ってKleissisだと言えるように突っ走っていきたいです」

田中「1周年を迎えられるのは当たり前のことではなく、こうして7人で活動できていることに感謝しています。この1年は、歌やダンスで悩んだ1年でした。それはこれまで以上にパフォーマンスに向き合ったからだと思っています。自分自身が悩んでいる時、皆が慰めてくれたり励ましてくれて、この6人といられて良かった……皆と歌えていることが嬉しいです。1年前の動画を見直してみたら、完成度がまるで違っていて。まだまだ私達に足りないところがあると思いますが、真剣に向き合い絶対に諦めずに皆で前進していきます。私たちが今まで以上のステージへ連れて行くので、どうぞ見守っててください」

熱のこもった挨拶を送った後には最後にもう一度、この日の一曲目でありKleissisはじまりの曲「Kleissis Chaos」を会場全員で歌唱し、ライブは幕を閉じた。そしてスクリーンには「Thank you for loving “Kleissis” all the time!」のメッセージが。メンバーの言葉の端々にも表れていたように、この1年常にKleissisへ愛情を注いでいたメンバー・スタッフ・ファンがこの場に集まって作り上げたライブはこうして終わり、彼女たちは活動2年目に向けて歩み始めた。

▼セットリスト
1.Kleissis Chaos
2.決断のDivergence
3.Ark of promise
4.贖いのアリア
5.逆さまの世界
6.囚われのChiral
7.Into the Abyss
8.Another Sky Resonance
9.さよならの彼方へ
EN.Kleissis Chaos

■Kleissis 最新楽曲配信中

▼6thシングル「囚われのChiral」
配信開始日：7月20日
配信先ストア：https://linkco.re/vCS2S3rf

▼7th SINGLE「Into the Abyss」
配信開始日：7月30日
配信先ストア：https://linkco.re/0VRvMbMf

▼「Into the Abyss」ミュージックビデオ

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