「バンド・デシネ」連載第28回目は、アンドレ・フランケンの『ガストン・ラガフ(Gaston)』について取り上げる。
『ガストン・ラガフ』は、1957年にベルギーで制作が始まったギャグ漫画。実在する「スピルー新聞」の関連会社で働く主人公ガストン・ラガフが、趣味や遊びに興じそのしわ寄せで、〆切前にアタフタする日常を描く。
ちなみに同作者は『スピルーとファンタジオ』にも参画していることもあり、キャラクターの新聞記者ファンタジオも度々、友情出演している。
会社にはフレディという常連の泥棒が侵入するが、いつも偶然ガストンが発見し、失敗してしまう。その際、同僚たちは警察に差し出すこともせずに、ガストンに企てをくじかれた泥棒に同情し、逃がすというオチがついている。この辺の、理屈では片づけられない人情は、日本人の心にも響くものだ。
ガストンは、トップスピードでも走行中に道端の花がつめてしまうという、のろまの旧車Fiat 509をこよなく愛する。
大人になりきれない子供、または子供じみた大人といった風で年齢不詳だ。生き物が大好きで、攻撃的なカモメ、マウス、金魚などのペットがいる。
こちらのイラスト、3匹の亀に縄をつけているところが、どことなく同じギャグ漫画の『おぼっちゃまくん』をほうふつさせる。
<連載第27回はこちら>
【漫画 × バンド・デシネ!】その㉗ レイモン・マッシュロの『クロロフィル』
©
André Franquin
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