「バンド・デシネ」連載第17回目は、ロベール・ヴェルターの『スピルーとファンタジオ(Spirou et Fantasio)』について取り上げる。
正義感の強いスピルーと、熱い気性のファンタジオの二人の記者を描く冒険ストーリー。ロベール・ヴェルターが1938年に描き始め、現在はその後継者によって続いている。第二次世界大戦の勃発よりも前からの作品と考えると、しみじみとその長い歴史を実感する。
同じくバンド・デジネで、少年記者を描くエルジェの『タンタンの冒険』にも設定が似ており、スピップという名のペットのリスが登場するところも、犬の相棒がいるタンタンとダブってみえる。両作品はどことなくイラストも雰囲気が近い。これがバンド・デジネの作風なのだろう。
スピルーとファンタジオは東京も訪れ、江戸時代と明治時代をテーマにした遊園地や、ヤクザ、秋葉原が登場するなど、日本の名物(?)がこれでもかと並ぶ。東京の情景をフランス人の読者に分かりやすく描くとこうなるのだろう。ちなみに彼らが中国に行った際は、巨大な仏像が印象的に描かれている。日本の読者としては、バンド・デジネの描くジャポン(日本)はとても気になるところだ。
<連載第16回はこちら>
【漫画 × バンド・デシネ!】その⑯ マルジャン・サトラピの『ペルセポリス
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Robert Velter – Jijé – Franquin – Fournier – Cauvin – Tome – Morvan – Vehlmann – Broca – Janry – Munuera – Yoann
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