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『僕は君を太らせたい!』2巻発売記念! 茸本朗さん(原作)と横山ひろと先生(作画)に、作品のつくり方や見どころを聞く

現在、「ビッグコミックスペリオール」(小学館)で好評連載中の漫画『僕は君を太らせたい!』をご存知でしょうか。原作を、人気ブログ「野食ハンマープライス」でお馴染みの野食家・茸本 朗さんが、作画を期待の新人・横山ひろと先生が担当する、異色のサバイバルグルメ漫画です。原因不明の感染症が広がり崩壊した世界で、愛する人を守り抜くこと=愛する人を太らせることと勘違いした男・木野耕一が、ヒロインの都田エリのために野食を駆使して極限状態を生き抜いていくというストーリーで、単行本1巻も好評発売中です。

そしてこの度、3月29日(金)に単行本2巻が発売されるということで、AKIBA’s GATE編集部は『僕は君を太らせたい!』の原作者・漫画家・編集者の3名に、漫画のテーマである「野食」やサバイバル知識から、原作付き漫画の制作手法、そして最新2巻の読みどころまで幅広く伺ってきました!

原作:茸本 朗(たけもと あきら)さん

野食家。1985年、岡山県生まれ。2012年に開設した人気ブログ「野食ハンマープライス」や、『野食のススメ-東京自給自足生活-』(星海社新書)などの執筆活動のほか、ビッグコミックスペリオール連載中の漫画『僕は君を太らせたい!』原作を担当。

漫画:横山 ひろと(よこやま ひろと)先生

漫画家。ビッグコミックスペリオール連載中の漫画『僕は君を太らせたい!』作画を担当。「横山ひろと初期短編集」(小学館)も電子書籍で販売中。

編集:一宮 大介(いちのみや だいすけ)さん

フリー編集者。大学を卒業後、編集プロダクション銀杏社に入社。講談社の単行本に関わる業務に携わった後、講談社の青年誌・イブニングに配属され雑誌業務を経験。その後2017年2月にフリー編集者となり、現在は小学館ビッグコミックスペリオール編集部に所属。

 

本日はよろしくお願いします。まずは、作品のテーマとして「野食」と「感染症が流行して荒廃した日本」とを組み合わせておりますが、このユニークな構想はどのようにして生まれたのでしょうか

茸本:まず野食についてですが、同じ「ビッグコミックスペリオール」で『たかが黄昏れ』を連載されている花沢健吾先生が、今の連載が始まる前に色々な体験をしたいという中で、アウトドアのガイドが出来る人間を探されていたんですね。その役目を僕が仰せつかりまして、みんなで何かを獲りに行って調理して食べるイベントを不定期にやっていて。

僕は「良く食べる、美味しく食べる」女性が好きで、僕が獲ってきたものを食べさせて、健康にスクスク横に大きくなってくれればいいなと。その会で今のような話をしていたら、一宮さんから「面白そうだから漫画にできないか」というお話がありました。それで、自分は絵を描けないので、横山先生をご紹介いただきました。

漫画の中で野食に詳しい人間しか出なかったら、読者が置いてきぼりになってしまうので、詳しくない人が欲しいし、やっぱり女の子も出てきてほしい。そこで、感染症というパンデミックを舞台装置として用意して、旅をしながらバラエティ豊かなものを食べていくストーリーを作ってみようかなと。

花沢健吾先生の『たかが黄昏れ』で潮干狩りをするシーンがありましたが、その会の経験が生かされていたのですね。『アイアムアヒーロー』も、パンデミックで荒廃した日本が描かれていました

茸本:僕も『アイアムアヒーロー』好きで、影響が無かったと言えば嘘になります。「困った時に自分の知識だけで生き延びられるのか」というのは常に興味を持っておりまして、実際に起こったらどうなるのかをシミュレーションする気持ちでストーリーを考えています。

 

ネタの出し惜しみはしない

–ありがとうございます。作画の横山先生は、こうした原作者さんがいる中で、ストーリーづくりに何か意見を出すことはありますか

横山:話の縦軸は茸本さんと一宮さんがしっかり作ってくださっているので、基本それをなぞりつつ、いかにハチャメチャにしていくかを考えて描いています。

–野食に関する知識は茸本さんが、それ以外のキャラ設定やストーリーを横山先生と編集さんが組み立てているのかと思っていたのですけど、実際はそうではないのですね

茸本:僕が大まかなストーリーラインは作りますが、自分が書いた原作をどう崩してもらえるかということを楽しみにしています。横山先生の魅力はギャグのテンポの良さだと思っているので、横山さんがうまく崩してくれて良いストーリーが出来ていると思っています。

話のつくり方としてはいくつかあって、登場人物たちは現在このあたりにいるだろう、というところから食材を探すのが一つ。逆に、この食材を出したいのでここを通ろうというのがまた一つあります。直近でいうと、今はだいたい東海道を行っているのですけども、小田原から熱海まわりにするか、箱根まわりか少し悩みました。結果的に箱根の方でストーリーが作れたのでそちらにしました。

ネタは出し惜しみしないという約束事があるので、「このネタでストーリーが作れるぞ」というネタを拾って、そこにルートを合わせることの方が多いかもしれないです。こういう食材の意外な使い方ができるとか、食材に限らず獲ったモノをこう使えるぞっていうストーリーが膨らんでから、場所とか他の設定をくっつけていく感じが多いですね。

–そういったストーリーや案を横山先生にお渡しする際に、コマ割り形式のネームではなく、シナリオライクに書かかれるのでしょうか

茸本:僕は本当に絵が描けないので、脚本として書いています。渡す素材が足りないと話の膨らましようがないと思うので、できる限りネタを入れて、1話につき大体3,000字前後の脚本をお渡ししていますね。そこから必要なところだけ採用してもらって、原作に無いギャグ要素も入れてもらっています。

横山:シナリオを文章でいただいて、そこから要素を抜き出して、さあここからどう動かすかな、みたいな。やることは決まっているので、あとはどう面白くするかっていう。

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