AKIBA’s GATE 立花理香さん特集
連載第3回「モーションキャプチャー」について
AKIBA’s GATEでは日本のポップカルチャーを広く伝えるため、声優・役者さんに当サイト独自のインタビューや取材企画を行なっており、第1弾では井澤詩織さんに、第2弾では小野賢章さんにご登場いただきました。
その第3弾の特集として、アニメやゲーム・動画番組などでご活躍されている、声優の立花理香さんにインタビューを敢行いたしました。お仕事に関する話はもちろん、立花さん個人の趣味・嗜好・興味にまで様々なことを語っていただいた連載記事です。
連載第3回目のテーマは「モーションキャプチャー」について。少し意外なテーマに思えますが、以前モーションキャプチャーのアクターを経験したことも踏まえ、声優がこの技術を駆使してできること、そして立花さんが考える声優・役者論にまでお話を伺うことができました。さて、どんなお話が展開されるのでしょうか――。
– まず、そもそもモーションキャプチャーとは何なのか、立花さんなりの解説をお願いできますでしょうか。
そうですね、モーションキャプチャーは既に色々なアニメーションやゲームとかで使われている技術なのですが、人間の動きを読み取って3Dのモデリングをして、キャラクターの動きへ落とし込む技術のことをモーションキャプチャーと言うのであろう、と私は理解しています。
– 今回のトークテーマの一つとして取り上げた理由をお聞かせください。
皆さんご存知の通り今の声優さんは、声優であって声優ではないじゃないですか。
声優さんが声を使って声だけでお芝居をするというのは勿論なのですが、最近はキャラクターの声優としてステージに立ったり、そこで歌って踊ることもあったり、お芝居をすることもあったりそれこそアニメが舞台化されたりとか、実際にその声優さんが舞台上でも演じられるということも多々あって、声だけでお芝居をする時代ではないですよね。
アイドルさんや芸能人の方が「〜〜の声優にチャレンジ!」みたいなことは昔からあるのですが、アイドルさんも声優や歌手をやったりと、もはや垣根が無くなっている時代なので、声優さんがどうやって自分たちの仕事を……守っていくと言ったらおかしいですが、そうなった時に、モーションキャプチャーは色々とうまく付き合って行ける道があるのではないかなと思っていました。
ちょうど私がモーションキャプチャーをさせてもらうことがあったので、今回是非このことについてお話をしたいと思い、テーマに挙げさせていただきました。
– 立花さんはこれまで、『真空管ドールズ』や『Live Emotion Vol.01』などのイベントでモーションキャプチャーを実演されてきましたけれども、振り返っての思い出などありますでしょうか。
はい、私が声を担当させていただいたキャラクターさんをリアルタイムでモーションを取って動かすというイベントで、そのアクターをやらせてもらったんです。
喋るのも動くのもリアルタイムなのですが、声は自分がCVをしているので良いとして、問題は動きですよね。
秋葉原ラジオ会館さんのリニューアル3周年記念セレモニー内であった、『真空管ドールズ』のイベントで初めてモーションキャプチャーと出会って。腕や頭にセンサーをつけてほぼ上半身だけの動きだったのですけど、凄いですねやっぱり。
アニメーションとかゲームとかって、私たちはスタジオの中で収録をして、あとは出来上がるまでキャラクターさんにお会いすることはないのですけど、それらの作品は普段は別のスタッフさんが作画して動かしてくれている訳で、それを自分の意思でキャラクターを動かせるというのが、今までに無かった楽しさだなとすごく思いました。
– モーションアクターをしている最中は、モニターの向こうのファンの皆さんの様子は見えるんですか。
見えますね。
会場の様子も見つつやっていたのですが、私が裏でセンサーをつけて動きも制御しているということはお客さんはご存知なかったので、最初はやはり録画映像が流れているのかとか、何個かの動きのパターンに合わせて私が喋っているんじゃないかとか、お客さんに伝わるまでラグがあったので色々な考え方ができたと思うのですけど、伝わってからは……いや何か嬉しかったですね。
アニメやゲームでは、「こういう動きを想定しています、それに合わせて収録をします」となっていて、実際にそれがハマる時もあれば、こういう演出があるんだったらこういう収録の仕方もできたのかな、という自分で反省会みたいなことをするのですけど、リアルタイムでお客さんの反応を見ながら、自分で動いて自分で話せるというのは、今までキャラクターさんのことをわかったつもりでいたけれども、キャラクター理解を深めないといけないんだなとすごく思った日でした。
普段は動きのクセとかまでは考えることが少ないですし。
この時はアイトラッキングと言って、私の視線の動きも読み取られていたんですよ。
大変というか「しまった!」ということがあって、進行台本を見るとキャラクターもそっちを見てしまうし、台本をめくろうとするとキャラクターもその動作をしてしまうので、工夫が必要でした。
台本見ちゃうと「見たな」ってバレちゃうので、その辺を自分で頭に叩き込むか、バレない方法を考えるか、あの場は声優の仕事としてこういうことを考えた方がもっと良い仕事ができるのかなと発見にもなりました。
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– 秋葉原ラジオ会館さんでの出会いが1回目で、2回目の出会いはどちらだったのでしょうか。
「C3 AFA 2017」で2回目のモーションがあったんですね。そこでついに全身になったのですが、ただどうし…
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