大阪発の公安9課!? 「ブレイン・インスパイヤード・コンピューティングシンポジウム2017」イベントレポート
アニメ『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』(以下、『攻殻S.A.C.』)の有名なセリフのひとつに「そう囁くのよ……私のゴーストが」というものがある。ここで語られる”ゴースト”は、掃除機で吸われてしまうようなコミカルな存在ではない。言わば人工物(機械)に宿る”何か”である。
私たちはこのセリフをフィクションとして楽しんできたが、一部の研究者たちは現実として捉えているのかもしれない。
去る2月24日(金)、大阪大学主催による「ブレイン・インスパイヤード・コンピューティングシンポジウム2017」にて、『攻殻S.A.C.』をテーマとしたディスカッションが実施された。ゲストとして作品の脚本家である藤咲淳一氏と、草薙素子を演じた声優・田中敦子さんが登壇。ここに第一線の研究者が加わり、議論はユニークな展開へと広がりを見せた。本稿ではその模様をお伝えしていく。
(写真は左より藤咲淳一氏、田中敦子さん)
■『攻殻S.A.C.』で描かれた未来のかたち
今回はゲストのお二方と、大阪大学NBIC協働研究所招へい教授・田谷紀彦氏をまじえた未来鼎談の模様をレポートする。
『攻殻S.A.C.』の舞台は荒廃した2030年の近未来であるが、この世界観を表現するためにどのような工夫が凝らされたのだろうか。
脚本家・藤咲氏は複雑な作品設定、特に”電脳”について考えるにあたり、監督から「頭の中にケータイを入れてくれ」とリクエストされたそうだ。スタッフ一同でダメ出しをしない、というルールのもとで互いにコミュニケーションを重ねた結果、「ぼくら(製作者)がわかる世界観の上に攻殻を乗せよう」という視点から脚本を完成させた。『攻殻S.A.C.』の脚本は、通常の2、3倍のリテイクが行われているという、作品への情熱がうかがえるエピソードも披露された。
藤咲氏がシリーズの中で初めて脚本に関わったのが、第二話である「暴走の証明」。冒頭のシーンでは、田んぼが広がる風景の中から突然タチコマや素子が現れる。未来にどう日常を溶け込ませるか思案した結果、電柱や電線、田んぼなどの田舎の描写をあえて残したそうだ。
田中さんはアフレコ当初を振り返り、「(当時は)ネットと言われてもほとんどの人がちんぷんかんぷんな時代。用語の説明からお願いした」とコメント。『攻殻S.A.C.』が放送開始となったのは2002年。想像の世界から現在までを駆け抜けたいま、「当時の自分にしかできなかったこと、(経験を積んだ)今の自分だったらこうするのにな、と思うこと。今でもわからないこと……。色々なものに支えられて今がある」と胸中を明かした。余談だが、自宅にあるロボット掃除機の名前は”タチコマ”なのだそうだ。
次回はこの人気キャラクター・タチコマを軸に、イベントの模様を更に掘り下げてゆく。
■NECブレイン・インスパイヤード・コンピューティング協働研究所(NBIC協働研究所)
脳応用ICT領域での産学連携活動の一環として、平成28年4月に大阪大学と日本電気株式会社により最先端脳科学に倣う脳型コンピューティングシステム実現に向けた共同研究拠点として大阪大学大学院情報科学研究科内に設立。大阪大学では、早くから脳科学と情報科学の融合に着目し、新しい技術体系への発展を目指して異分野融合研究を先導する研究を推進している。
■映画『ゴースト・イン・ザ・シェル』
4月7日(金)よりTOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国劇場にて公開
配給:東和ピクチャーズ
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