PSYCHOSISによる舞台「幻魔怪奇劇『DGURA MAGRA―ドグラ・マグラ－』」が、東京・Theater新宿スターフィールドにて7月16日(金)から開幕し、7月19日(月)まで上演される。

PSYCHOSISとは月蝕歌劇団出身の森永理科が立ち上げたプロジェクトで、今回の旗揚げ公演では故・高取英が演劇化した「ドグラ・マグラ」(作：夢野久作)を、森永の演出の下でリブートした。

原作「ドグラ・マグラ」は、読めば精神異常をきたすとも言われる日本探偵小説三大奇書の一つ。物語は大正15年の九州帝国大学医学部精神病科を舞台に展開していくが、幻魔怪奇劇『DGURA MAGRA―ドグラ・マグラ－』の観客もまた、同大学精神病科の診療に訪れた患者であることが上演前アナウンスで告げられる。開演を待つ間も、舞台上には精神に異常をきたした患者と思われる男女が徐々に増えていき、不穏な雰囲気を最大限に煮詰まったところで物語が始まる。

本編は原作同様に、記憶喪失の青年である「私」が語り部役として、自分が何者であるのか、そして2つの殺人事件の謎を追い求めていくものだが、作品が元々持つ狂気性に加えて演出の森永が細部にまでこだわったゴシック調の衣装・美術が相まって、観る者の精神を揺さぶりにかけてくる。2時間弱の「診療」を経たわれわれ患者たちは、現実の世界に戻れるのか、それとも現実と思う世界は本当にあるのか──。

そして、PSYCHOSISの森永理科よりコメントが到着したので、以下に紹介する。

月蝕歌劇団の演出として数本参加している中で、恩師でもある高取英作品の新しい可能性を探りたくなりPSYCHOSISを立ち上げました。

 

夢野久作には多くのファンが今も存在し、令和になってもなおその魅力は衰えることはありません。原作をご存知の方も、そうでない方も楽しめる舞台を心がけました。
アニメ、音楽、演劇、文学・・・それらは全てバラバラにありましたが、私にとっては全てが点と線で繋がっています。私にしかできないものをこれからもPSYCHOSISで創造して行こうと思います。

 

今回、おかげさまで全ての公演が完売し、多くのみなさまに支えていただきました。
配信も急遽決定しました。

 

そして、来年は「TSUYAMA30 – 津山三十人殺し-」（脚本・高取英）を上演します。
どうぞご期待ください。

なお、当公演のチケットは全て完売しているが、当日券の販売についてはPSYCHOSISのTwitterで発表される。また、8月13日(金)には、本公演の映像の配信が開始される予定とのこと。

▼あらすじ

「胎児よ　胎児よ　何故躍る
母親の心がわかって　恐ろしいのか― ― ― 」
読んだ者は精神に異常をきたすといわれる、
日本三大奇書のひとつ「ドグラ・マグラ」
閉鎖的な精神病院で記憶を無くした青年は
隣の部屋から「おにいさま」と叫ぶ少女の声を聞く。
脳髄・死美人・残虐・腐りゆく死体・猟奇殺人・阿呆陀羅経、何が正気で何が狂気なのか、数十億年万有進化の大悪夢。

▼公演詳細
PSYCHOSIS #001 幻魔怪奇劇「DGURA MAGRA―ドグラ・マグラ－」
2021年7月16日（金）～19日（月）
東京都 Theater新宿スターフィールド

作：夢野久作
脚本：高取英（ドグラ・マグラ月蝕版より）
演出：森永理科
音楽：EURO（SPEED-iD）、J・A・シーザー
出演：國崎馨、曽田明宏、申大樹、遊佐邦博、高田ゆか、髙橋優太、帝子、井口香、小坂知子、MIKA、辻真梨乃、中村つぐみ、神谷沙奈美、柴奏花、中村ナツ子、森永理科

▼PSYCHOSIS とは
P S Y C H O S I S ＝ サイコシス。
月蝕歌劇団出身の森永理科が立ち上げたプロジェクト。
故・高取英の作品を中心に独自の解釈で展開、演出・振付を行う。
音楽にハードロックバンドSPEED-iDのEUROを迎え、精神を搔き乱すアバンギャルドな爆音演劇を上演する。
闇を知るために闇を覗く　がコンセプト。

▼PSYCHOSIS スタッフ
演出：森永理科
音楽：EURO（SPEED-iD）／J・A・シーザー
音響：大貫誉（エスイーシステム）
音響オペ：小林由尚
照明：髙瀬勇佑（R I S E）
舞台監督：申大樹（深海洋燈）
写真：イマイトシヒロ
制作：Real Heaven
宣伝美術：PSYCHOSIS
協力：月蝕歌劇団・演劇実験室◉万有引力・EXELLEX・大統領師匠・スターダストプロモーション・深海洋燈・マウスプロモーション・早坂寿・大上貴摩瑳・ロングランプランニング・虚飾集団廻天百眼・一ノ瀬めぐみ・大島朋恵・とらやん・水上ゆか・紅日毬子・南雲美香・上野アサ（ににねねらいか）・柴ミント