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沖縄アニメ「琉球タイムライン」主演
声優・新垣樽助さんインタビュー

沖縄県浦添市が「観光促進」を目的に製作したショートアニメ「琉球タイムライン」(WEBで無料公開中)に、古琉球時代の王・察度(さっと)、および真人役としてご出演なさった声優の新垣樽助さんに、地元・沖縄への思いや、作品にご出演なさった感想をアキバゲートが伺いました。

– 新垣さんは、ご出身である沖縄に所縁のある役柄を演じられたり、方言の指導をなさったりと、沖縄に関連するお仕事のキャリアが多いと思うのですが、地元・沖縄に対する思いをお聞かせください。

新垣– 僕は沖縄で生まれ育って18歳で東京に出てきたんですけど、沖縄を出てから、自分が思っていた以上に、沖縄に対する愛着を持っていたことに気付きました。

沖縄にいた時には感じなかった地元の存在の大きさを感じながら、今は東京で仕事をしています。

そういう思いがあったので、沖縄の役をいただいて演じるのはもちろん、それだけではなく、もっと声優として沖縄に携わりたいと思うようになりました。

自分の生まれ育った故郷・久米島で朗読劇も始めたのも、そういう地元への思いがきっかけです。

– 沖縄の役は、普通の役とは違った思い入れや、意識している点はありますか?

新垣– はい。特に、沖縄の役を演じる時は、方言のなまりの匙加減をとても細かく意識しています。

例えば、普段の会話だと一般の人が分かるレベルのなまりだけど、怒ると何言ってるか分からなくなるくらいに強調したりだとか、そういう感情や状況に合わせてチューニングするイメージです。

なまりすぎても一般の人に伝わらないですし、だからと言って、和らげたとしても地元の人が聞いた時に違和感を感じないようにしようという、沖縄出身者としての責任は常に感じています。

実際に、同じ沖縄の言葉でも、地域によって方言のニュアンスが変わったりするので、いい加減に演じてしまうと、地元に住んでる方からすれば「俺たち、そんなこと言わないけどな」って感じる場合も出てきてしまうと思うんですよ。

だからこそ、方言の細部までこだわっていますし、そうまでしないと僕がキャスティングされた意味がないと思っています。

子供の頃、テレビから普段自分たちがしゃべっているのと同じ言葉が聞こえてくるのが、僕は嬉しかったんです。

だから、僕の演技を聞いた沖縄の人たちにも喜んで欲しいという思いがあって、そこが一番のこだわりですね。

– 今回、地元・沖縄のアニメへのご出演のご感想をお聞かせください。

新垣– 沖縄のアニメにこうして携われるのは、単純に嬉しかったですね。

特に、今回は沖縄県浦添市が作るショートアニメということで、浦添市には僕の親類も住んでいますし、何度も行ったことのある身近な土地だったので、そういう作品に関われるのは光栄です。

– 舞台となった浦添城や、浦添市のイメージを教えてください。

新垣– 実は以前、お仕事で沖縄へ行った際に、今回のアニメの舞台になっている浦添城跡に伺って、併設された資料館を見学させてもらったことがあるんです。

そこでスタッフの方に教えていただいたんですけど、古代の沖縄には文字の文化が無くて、発掘したものから当時の様子を読み解いていくしかないと聞いて、ロマンがあるなぁと思いましたね。

もともと沖縄戦の激戦区だった場所でもありますし、それらを知った上で、歴史を学ぶことで、遥か昔の先人たちの功績に思いを馳せました。

今って、浦添城跡の周辺には民家がたくさん建っていますけど、戦時中は山の形が変わるぐらい地形がボコボコになったと聞いています。

そんな抉られた山の上に、今はたくさん人々が住んでいる浦添の風景を見ながら、人間の底力のようなものを漠然と感じたのを思い出します。

遥か昔の歴史から現代の人々の生活に至るまで、いろんな魅力がある市だと思っているので、多くの人にそれを知ってもらえるきっかけになれば嬉しいですね。

– 特に印象に残ったシーンや、演技のポイントなどはありますか?

新垣– 現代の歴史好きの青年・真人(まさと)と、当時の王様・察度(さっと)という二つの役をやらせてもらったんですが、それぞれ個性的で面白かったです。

まず、真人に関しては、彼の気持ちがすごくわかるなぁと思いながら演じました。

真人ほど歴史オタクではないですけど、ずっと昔の人たちが作ったものが今でも残っているとか、その技法を使って現代に復元しているなんて、男の子なら燃えますよね。

きっと僕も「すげー!どうやってこんなに精巧に作ったんだ!」って気分になると思いますし、共感しながら演技できたので、演じやすかったです。

新垣– 一方、察度に関しては、三山時代の王様ってことくらいしか知らなくて、人となりや功績までは分からなかったので、たくさん発見がありました。

例えば、察度は新しい物事に対してすごく柔軟で、国民から慕われている人物だったそうで、役柄としても面白い人物だなと思いましたし、実際に作中では、真剣な表情をしたかと思えば、急にニカッと笑ったりして、とても表情豊かに描かれていて、それが王様としてすごく魅力的だと感じました。

そういう察度の、ピンチをチャンスに変えてくれるような、枠に囚われない大物感を表現したつもりなので、それが伝わればいいなと思います。

– 新垣さんからご覧になって、作品の見どころはどこでしょうか?

新垣– 主人公のあかりちゃんの「現役感」です!実際に、僕たちが沖縄の歴史に気付いて、そして好きになっていく過程は、まさに作中のあかりちゃんの体験そのものだと思うんです。

県外の人たちだけじゃなくて、沖縄に住んでいる人たちにも、興味が持てるものがたくさんあって、沖縄の歴史があかりちゃんの体験を通してリアルに描かれているので、その部分を是非観て、感じて欲しいです。

あかりちゃんが驚いたり感動したりするシーンは、そのまま視聴者の皆さんにも追体験してほしいですね。

– 最後に、作品の視聴者の方にメッセージをお願いいたします。

新垣– 沖縄に住んでいる方にも、県外の方にも、このアニメでもっと沖縄を好きになってほしいですね。

沖縄県外の方にとっては、沖縄の魅力と言えば「海、空、砂浜…」っていうイメージだと思うんですけど、そこにプラスして「歴史」という要素にもスポットを当ててもらえると、より沖縄が多層的に見てもらえると思うんですよね。

僕の地元の久米島にもお城の跡がありますけど、沖縄に住んでいるときは「お城があるな〜」くらいで終わっていました。でも、改めてこうやって歴史に触れて、その時代を生きた人たちの息遣いを感じると、「沖縄ってこんなにも魅力的だったんだ」とか、「こういう歴史に連なって今自分がここにいるんだ」って感じられると思うんです。

このアニメをきっかけに、「沖縄ってこんなに魅力的なんだよ」ってことを、みんなで発信していけたら最高ですね。

– ありがとうございました。

新垣樽助 Tarusuke Shingaki
1976年6月18日生まれ、沖縄県久米島町出身の声優。映像テクノアカデミア卒業後、2001年にマウスプロモーションに所属。
当初は本名の新垣正明(しんがき・まさあき)名義で活動していたが、祖父の旧名・樽助を芸名とする。
2006年頃より『テニスの王子様』の木手永四郎役で名を広め、同作ではミュージカル版のキャストへの沖縄方言指導も行なう。
『Fate/Zero』の間桐雁夜、『攻殻機動隊 ARISE』のトグサ、『僕のヒーローアカデミア』の通形ミリオ、『OZMAFIA!!』のカラミア、『消滅都市』のエイジなどの役で活躍。

WEBアニメ『琉球タイムライン -未来少女と古の王-』作品情報

首里城の焼失に伴い、沖縄県への入域観光客の減少が見込まれることから、沖縄を盛り上げるために浦添市が製作したショートアニメ。

浦添市観光ポータルサイト「うらそえナビ」にて無料公開中。
https://www.urasoenavi.jp/kankou/2021020900017/

アニメの設定資料やグッズがもらえるクラウドファンディングも実施中。
https://greenfunding.jp/lab/projects/4599/

<あらすじ> 沖縄の女子高生・城間あかりと、琉球国 中山王・察度(さっと)の時を超えた出会いをきっかけにかつての察度王の大いなる決断を目の当たりにする歴史ファンタジー。

■スタッフ
企画・制作:魚雷映蔵
製作:浦添市

■主題歌
「へその音」宜保 和也

■キャスト
城間あかり:佐野ゆうき
真人・察度:新垣 樽助
大親:ロジャー(大自然)
楊載:しんちゃん(大自然)

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