サロン・デル・マンガ スペシャル!
11月初旬にスペイン・バルセロナで開催された日本の漫画やアニメの祭典「バルセロナ・サロン・デル・マンガ(23 Saló del Manga de Barcelona)」では、ロボットが登場する歴代の日本作品の特別展示も行われた。
今回紹介するのは、AKIBA’s GATEで以前にも取り上げた『アトム ザ・ビギニング(ATOM THE BEGINNING)』。日本のロボットを扱ったマンガの先駆けともいうべき、『鉄腕アトム』が誕生するまでのストーリーだ。
愛嬌溢れるお茶の水博士の若かりし頃の姿は、丸くて大きな鼻はそのままだが、トレードマークの白髪がまだフサフサしている。ちなみにこのキャラクターの原作者である手塚治虫は、自分の同級生だった医学博士の渥美和彦をモデルにしたといわれる。
偉人や天才として広く世に知られる人たちは、実は若いころに物凄いエネルギーを投じ、壮絶な努力をしていることが珍しくない。この作品に触れると、「自分も頑張らなきゃ!」と自然に思えてくる。
『鉄腕アトム』は1951年に21世紀の物語として制作されたが、『アトム ザ・ビギニング(ATOM THE BEGINNING)』はその逆。現代の21世紀から昔の時代を描いているもので、比較すると興味深い。マンガやアニメの技術は相当に進歩し、21世紀のロボット技術は、当時想像の産物だったマンガの世界に近づきつつある。
本作では近年話題の人工知能や、ロボットの心といったテーマが出てくるが、実は手塚は当時、アトムにAIや心を既に想定していたことが見て取れる。さすがは医学博士だ。
「バルセロナ・サロン・デル・マンガ」の現地リポート、次回も乞うご期待!
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